A person using a tablet, with digital figures and data overlays, alongside the "SCOPE" summit logo for clinical ops executives.

SCOPEサミット2026では、患者リクルートメントに関する数多くの課題と、その解決策が議論されました。これらの課題の背景には、システム全体に起因する問題があるという点が、繰り返し指摘されていました。


By Darcy Grabenstein

セッションは山ほどあるのに、時間はあまりに少ない——。

SCOPEサミット2026では、常に注目が集まる人工知能(AI)の話題に加え、患者エンゲージメントとリクルートメントが大きなテーマとして取り上げられました。リクルートメントに関するプログラムは、「登録計画と患者リクルートメント」と「多様性・リテンション(患者体験を含む)」の2つのトラックで構成されていました。

私は患者エンゲージメント、リクルートメント、登録、多様性、そして臨床試験に強い情熱を持っているため、会場中を駆け回り、さまざまなセッションに参加しました。おかげで、サミットの毎日で1万歩の目標を軽く達成したほどです。
結局のところ、スポンサーが臨床試験のリクルートメント目標を達成することがすべて、ではないでしょうか。

SCOPEサミット全体を通して繰り返し語られたテーマは、冒頭の基調セッションでも指摘された通り、リクルートメントの課題はシステム全体の問題——例えば臨床試験へのアクセス——に起因しているということでした。多様性に関するセッションでは、Duke Cancer InstituteのClinical Research RepresentationプログラムリーダーであるTyler Allen氏が、移動手段、宿泊、経済的負担などの後方支援に関する障壁に業界が向き合う必要性を強調。「これらは構造的な問題であり、患者の限界ではありません」と語りました。

スポンサーと施設のギャップに関するセッションでも、ONYX CollectiveのChief Development OfficerであるRamona Burress氏が同じ見解を示し、「問題は人ではなくシステムにある」と述べました。

もちろん、一部のセッションではAIと患者リクルートメントの両方が取り上げられました。正式なリクルートメントトラックではなかったものの、「From Insights to Outcomes: A Practical AI Playbook for Trial Teams」で登壇したサイトラインのClinical, Regulatory & Strategic Intelligence担当ジェネラルマネージャー、Suzanne Caruso氏は、臨床試験全体におけるAIの価値を紹介しました。Caruso氏は、患者が適格となったタイミングでリクルートメントを活性化できる点を説明し、予測モデルとしてのエンロールメントモデリングは非常に有効だと強調しました。

PfizerのGlobal Patient Recruitment & RetentionディレクターであるLauren Johnson氏とStrategic Partnerships LeadのChristopher Rodricks氏は、AIがグローバルなリクルートメント改革を推進する可能性を語りました。今後20年(あるいはそれ以前)に、調和されたシステム、リクルートメントプロセス全体のシームレスな統合、人とAIが大規模に協働する未来が実現するだろうと予測しています。

Innovation Network & Whale Tankの共同創設者兼キュレーターであるJeff Smith氏は、画期的な発想に特化した視点から、スクリーニング失敗と単一スポンサーによる試験マッチングが患者にどのように不利益を与えているかについてパネルディスカッションを主導。「私たちはリクルートメントの“海”を持っているのに、飲める水はほんの数滴にすぎない」と述べ、問題の本質を示唆しました。

失敗をテーマにした別のセッションでは、Milliman IntelliScriptのSam Veeck氏が「登録の失敗はスプレッドシート上では起きていません。患者一人ひとりの段階で起きています」と語りました。スクリーニングの遅れは労力を無駄にするだけでなく、適格な患者を“離脱させてしまう”ことも指摘しました。

業界では常に「適格患者をいかに早く見つけるか」が議論されますが、Blood Cancer Unitedの代表であるLen Rosenberg氏は、異なる観点から意見を述べました。患者がリクルートメントの過程で受ける否定的な体験を踏まえ、「私は“早く失敗すべき”だと言いたい……できるだけ早く患者をそのファネルから外してあげるべきだ」と発言。スポンサーは、患者が“不適格であることを迅速に判定する方法”を整えるべきだと主張しました。

サイトラインでは、実現可能性評価(Feasibility)と患者リクルートメント/登録は切り離せないものとして捉えており、それは当社の2つのセッション「Design with Enrollment in Mind: The Feasibility-Informed Protocol」と「Start with Patients, End with Confidence: Rewiring Feasibility for Real-World Enrollment」にも反映されています。前者のセッションで登壇したサイトライン Clinical Solutions担当VPのClaire Riches氏は、「Plan, Find, Enroll」というサイトラインの基本姿勢を改めて示し、患者リクルートメントには全体を見通したアプローチが欠かせないと強調しました。FortreaのGlobal Head of Patient Recruitment & EngagementであるMelissa Harris氏は、いわゆる“ユニコーンプロトコル”に内在する問題点を解説。「ユニコーンプロトコルは見た目はとても美しく、キラキラしているように見えますが……リクルートは不可能です」と述べました。

Can Data and AI help? illustration

2つ目のセッションでは、Christina Masturzo(SVP, Clinical & Regulatory Product)とAnjani Varma(Senior Product Marketing Manager)が、ある第III相オンコロジー臨床試験におけるケーススタディを紹介しました。サイトラインはAIを活用したプロトコル分析に基づき、

組み入れ基準/除外基準(I/E)の最適化米国サイトの妥当性検証グローバル展開に向けた準備

を実現するために、3段階の分析戦略を実施しました。最終的に、このスポンサーは意思決定を裏付けるための必要なデータを得るとともに、臨床試験を前進させるための確信を得ることができました。

A three-tiered analytical strategy to optimize inclusion/exclusion (I/E) criteria, validate US sites, and prepare for global expansion

希少疾患の臨床試験におけるリクルートメントには、独特の課題があります。NovartisのStudy Director & Community LeadであるMelody Aldred氏は、一般的なリクルートメントファネルと希少疾患患者のファネルとの違いを説明しました。Aldred氏は次のように述べています。

「ファネルという概念は、多くの候補者から始まり、彼らが体系的かつ直線的に進んでいくことを前提としています。しかし希少疾患の患者さんは、複数の医療従事者、患者会、そして患者同士のつながりの中を“迷路のように”動いているのです。」Aldred氏は、希少疾患患者のリクルートメントにおいて重要となる要素として、

  • 患者の特定方法/希少疾患の遺伝子変異
  • アウトリーチの実施方法
  • 患者会との連携
  • コンシェルジュサービスの導入 などを挙げました。

サイトラインが提供する患者エンゲージメントおよびリクルートメントソリューション、特に見つけにくい患者のリクルートを支援する Citeline PatientMatch について詳しく知りたい方は、ぜひ Citeline.com をご覧ください。

We have an ocean of recruitment efforts but barely drops to drink.
Jeff Smith, Co-Founder & Curator, Innovation Network & Whale Tank

著者について

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Darcy Grabenstein

Director of Content Strategy and Thought Leadership | Citeline

コンテンツ戦略 & ソートリーダーシップ担当ディレクター、サイトラインDarcyは、サイトラインでコンテンツ戦略およびソートリーダーシップ統括ディレクターです。ジャーナリズムをバックグラウンドに持ち、マーケティング、広告、広報の分野で30年以上の経験を有しています。

よくある質問

SCOPEサミット2026での患者リクルートメントに関する議論は、登録計画(Enrollment Planning)、多様性とリテンション、そして患者体験全体 に焦点が当てられていました。

AIは、今後のリクルートメント変革を支える重要なテクノロジーとして位置づけられています。その潜在的なメリットには、以下が含まれます。

  • データシステムの調和
  • リクルートメントジャーニー全体のシームレスな統合
  • プロトコルデザインの改善
  • 人の専門性と機械のインテリジェンスによるスケーラブルな協働

従来のファネルは、患者体験よりも“候補者数”や“スピード”を優先しがちです。その結果、

  • スクリーニングの遅れ
  • 過度に厳しい適格基準
  • 単一スポンサーによる試験マッチング といった要因が患者の不満を招き、離脱を引き起こすことがあります。

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