国際医薬品規制調和会議(ICH)による「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」ガイドライン改訂を踏まえて~臨床試験計画に与える影響とは?
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国際医薬品規制調和会議(ICH)は、2025年7月23日付で「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」ガイドラインを改訂しました。ICH GCPは、ヒトを対象とした試験の実施に関する国際的な倫理・科学・品質基準です。この基準に則って実施される臨床試験は、被験者の権利、安全性、福祉が保護されること、試験の実施が「ヘルシンキ宣言」の原則に準拠していること、そして臨床試験の結果が信頼できるものであることを保証します1。
このガイドラインは30年前に策定され、患者の安全性を最優先することを目的としていましたと、CitelineのClinical Solutions担当副社長であるクレア・リッチズ氏は語ります。彼女によれば、GCPにおいてデータの完全性は常に重要な要素であり、機密性の保持、適切な目的でのデータ利用、必要最小限のデータ収集が求められていました。
リッチズ氏は、ガイドラインが初めて導入された当時は、すべてが紙ベースで記録され、対面で実施されていたと指摘します。電子カルテ(EHR)や電子日誌といったものは存在していませんでした。こうした技術の進歩により、ガイドラインの改訂が必要となったのです。「現在私たちが利用できる技術と比べると、従来のガイドラインは非常に時代遅れでした」とリッチズ氏は述べています。今回の改訂は、現代の臨床試験の実施方法や利用可能な技術に即した内容となっており、リスク評価と適正な対応に重点が置かれています。
1 International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use. Available from: https:// database.ich.org/sites/default/files/ICH_E6%28R3%29_Step4_FinalGuideline_2025_0106.pdf [Accessed Aug. 21, 2025].